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4Kでも強みを発揮した「Call of Duty: Modern Warfare II」
続いては人気FPS「Call of Duty: Modern Warfare II」での検証だ。画質は“極限”、アンチエイリアスは“ウルトラ設定”とした。アップスケーラー(FSRやDLSS)は無効としている(以降同じ)。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
レイトレーシングを使わないゲームの中では、これがRX 7900 XTXのポテンシャルの高さを遺憾なく発揮した、という印象を受ける結果になった。RTX 4080に対しRX 7900 XTXはどの解像度でも安定して高いフレームレートを出せている。
フルHDなら約33%、4Kでも約25%高い位置にあり、このゲームとRadeonの相性の良さが窺える。特に最低フレームレートも安定して高いため、このゲームで攻めるならRX 7900 XTXがベストなチョイスであるといえる。
RX 7900 XTでもRTX 4080を平均フレームレートで上回っているが、こちらは7~21%と伸び率は控えめ。特に解像度が高くなるほど伸び幅が小さくなることから、320bitというメモリーバス幅が何らかの原因になっていると推察される。
ではベンチマーク中のTBPと、そこから導出されるTBP 10Wあたりのフレームレートを比較しよう。
このゲームでもRadeon勢、特にRX 7900 XTX/RX 7900 XTは解像度が上がってもTBPはほとんど変わらない。RX 7900 XTは4KよりもWQHDの方がTBPが高いのは、GPU性能に対する描画処理が重すぎるためだと考えられる。
ただRadeon勢の中でもRX 6950 XTは解像度とTBPがリンクしているので、RDNA 2とRDNA 3では電力消費の管理方法が、かなり変わったのではないだろうか。
Assassin's Creed: Valhallaではワットパフォーマンスで惨敗だったが、Call of Duty: Modern Warfare IIではかなり良い勝負となった。フルHDやWQHDではRTX 4080に負けるものの、4KではRX 7900 XTXの方が優秀である。
ただいくらRTX 4080のワットパフォーマンスが良いと言ってもフレームレート命のeスポーツ性の高いゲームである以上、RX 7900 XTXは劣っているどころか優れているといえる。
レイトレーシングでは厳しい「Cyberpunk 2077」
「Cyberpunk 2077」では画質を“レイトレーシング:ウルトラ”としたが、デフォルトで入ってしまうアップスケーラー(FSR/ DLSS)は明示的に無効化、群衆密度は最高に設定している。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
3DMarkのPort Royal/Speed Wayのスコアーから十分予測できていたことだが、やはりレイトレーシングを使ったシチュエーションでは、フレームレートで同世代のGeForceに勝つのは難しい。RX 7900 XTXの場合平均フレームレートではフルHD/WQHDではRTX 4080のざっと35%下、4Kでも32%下となった。
TGPがRTX 4080により近いRX 7900 XTではざっと40%下といったところだ。RDNA 3のRay Acceleratorでは計算負荷を下げる機能・命令が追加されたが、Cyberpunk 2077がこれらの機能をフルに使えていない可能性も残されている。現状ではこんな性能だ、程度に考えておく方がいいかも知れない。
一方、RX 6950 XTに対してはRX 7900 XTXで約50%増、RX 7900 XTで20~30%増という結果になった。
ベンチマーク中のTBPの傾向はこれまで紹介してきたゲームと変わらない。RTX 4080のTBPも増えているが、同GPUのTBP 320Wよりかなり低い値にとどまっており。その一方でRX 7900 XTX/ RX 7900 XTはスペック上のTBPとほぼ変わらない。この差がどこから来るかを断言できる材料はない。
TBPから導き出されるワットパフォーマンスでも、RTX 4080が圧倒的に高かったが、これは致し方ない。RX 7900 XTX/RX 7900 XTユーザーがやるべきことは、先日実装されたFSR 2を有効にして描画負荷を下げることだ。そうなればワットパフォーマンスも幾分か改善するだろう。
「F1 22」ではワットパフォーマンスが改善?
「F1 22」では画質“超高”に設定。異方性フィルタリングは16x、アンチエイリアスは“TAA+FidelityFX”に設定。ゲーム内ベンチマーク(条件は“モナコ”+“ウエット”)再生中のフレームレートを計測した。
F1 22はレイトレーシングを使用するに加え、NVIDIAの「GameWorks」も使われているため、Radeonにはかなり分の悪いゲームである。Cyberpunk 2077以上の苦戦が予想されたが、実際にはCyberpunk 2077よりRX 7900 XTXが善戦。
RTX 4080が最速なのは動かないが、RX 7900 XTXはその10~15%下に迫っている。RX 7900 XTXもRX 7900 XTも、WQHDまでなら画質をあまり絞らずに高画質設定のまま快適にプレイすることが可能だろう。
全体の傾向はCyberpunk 2077と同じだが、全体にどのGPUも消費電力が高く、GPUが息切れする寸前でよく働いている事を示唆している。カタログスペック上のTGB/TBPはRX 7900 XTよりRTX 4080の方が大きいが、実際に負荷をかけるとRTX 4080の方が低くなる点は今回検証した全てのゲームで確認されている。
ここでもRTX 4080のワットパフォーマンスが優秀だが、RX 7000シリーズとの差はCyberpunk 2077よりも縮まっている。フルHDよりも4Kの方がワットパフォーマンス比が改善しているという点から、4Kではメモリーバス幅256bitのRTX 4080が息切れを起こした結果、フレームレートが絞り出せなくなっていることが示唆されている。
後編ではクリエイティブ系アプリでの検証も
ここらでRX 7900 XTX/ RX 7900 XTの検証前編は終了としたい。後編は以下のゲームでの検証に加え、クリエイティブ系アプリでの検証、さらにTBPのさらなる分析に挑みたい。