CPUの勢力図を塗り替えたAMD Ryzen 5000シリーズの登場から約2年、待望のZen 4アーキテクチャーを採用したAMD次世代CPUのRyzen 7000シリーズが投入された。
コアやスレッド数は据え置きだが、コアあたりの性能はしっかりと向上。16コアのハイパフォーマンスコアを搭載し、クリエイティブシーンに強い32スレッドCPUのRyzen 9 7950Xをはじめ、6コア/12スレッドとなるRyzen 5 7600Xまで、4SKUが店頭に並んでいる。
そんなRyzen 7000シリーズからは、CPUソケットがBGAのSocket AM5に変更されるなど、これまでとは大きく変わった点もある。そこで、今回は今さら聞けない基本中の基本から、組み立て時のポイントまでを解説したい。
すでに1度組んだが不安だ、まだ1度もAM5対応チップセットで自作をしていないという人は、ぜひ参考にしてRyzen 7000シリーズでの自作PCに挑戦して欲しい。
チップセットは次世代のPCIe 5.0をサポート
まずはRyzen 7000シリーズで組む際の基本をおさらいしていこう。
Ryzen 7000シリーズはCPU形状をはじめ、新たなソケット規格となるSocket AM5、次世代メモリー規格のDDR5メモリーの採用と、さまざまな点が一世代前から変化している。
CPUアーキテクチャーの変更とともに、CPUソケット規格が変わるインテルと比べ、AMDはできるだけ同じプラットフォームを利用するエコモードを重視する傾向にある。しかし、今回ソケットをSocket AM5にした結果、DDR5メモリーや、PCI Express Gen5といった次世代規格を大幅に採用している。
そのため、前世代のCPUはもちろん、メモリーもDDR4メモリーが使えない。ストレージはPCIe 5.0世代の製品が未発売で、PCIe 4.0世代が現役なため影響はないが、AM4プラットフォーム+DDR4メモリーで組んでいた人は、CPUとマザーボード、メモリーの3つは、流用できない点に注意しよう。
Ryzen 7000シリーズの対応チップセットは、上から「X670E」 、「X670」、「B650E」、「B650」の4種類となる。大きなチップセットの差異は、Ryzen 7000シリーズの特徴でもある、PCI Express Gen5レーン(CPU直結)だ。ビデオカード用の×16は基本最上位のX670Eのみ対応し、B650Eはマザーボードメーカー次第の対応となっている。
近々対応製品が登場するPCIe5.0×4 M.2 SSDについては、B650のみメーカー判断での対応で、X670E/X670/B650Eは、最低1基を標準で備えている。ちょっと分かりづらいが、各マザーボードメーカーはX670EとB650採用マザーボードをメインに投入しており、B650マザーボードでも、多くの製品がPCIe5.0×4 M.2に対応している。基本、マザーボードのスペックを確認して選ぶのが確実だ。