熱伝導グリス選びと塗りに気をつけよう
CPUクーラーに欠かせない熱伝導グリスは、CPUクーラーの付属品を使うのも良いが、塗りやすく熱伝導率の高い市販品もおすすめ。ただ、Ryzen 7000シリーズは、熱伝導グリス選びと塗りにもワンポイントがある。
Socket AM4用CPUクーラーとの互換性を確保するため、Ryzen 7000シリーズは、独特な形状のヒートスプレッダーが採用されている。このヒートスプレッダーと基板の間には、すき間があるうえ、ヒートスプレッダーの下は空洞になっている。ゆえに、グリスを盛りすぎてしまうと、ヒートスプレッダーのすき間から熱伝導グリスが入りこんでしまう可能性がある。
さらにヒートスプレッダーの凹部分にキャパシタが実装されており、一部はコーティングされているものの、剥き出しの場所もある。そのため、電導性のある熱伝導グリスを組み合わせるのはもちろん、盛りすぎてグリスが溢れてしまうことにも気をつけたい。
パーツショップの店頭にはさまざまなグリスが並んでいるが、ほかのパーツと同じく、いくつか定番品もある。そんな定番品のなかでも、複数のショップスタッフが推すのが、ARCTIC「MX-4」と、筆者も愛用している親和産業「SMZ-01R」だ。もちろん、両製品ともに非伝導率なので安心だ。
熱伝導グリスの塗りをマスターしよう
熱伝導グリスの塗り方はいろいろあるが、定番と言えば、米粒1~2つ分の熱伝導グリスをヒートスプレッダーの中央に出して、CPUクーラーで押し広げる方法をはじめ、中央+4方向に出して押し広げたり、ヘラや指サックで均等に伸ばしたりといった方法だろう。Ryzen 7000シリーズも、米粒2つ分程度を中央に出して、押し広げることで溢れることなく塗ることができる。
手軽に塗るなら、CPUクーラーでの押し広げだが、ここではマスキングテープを使ってキレイかつ均等に塗る方法も紹介しておこう。追加で必要なのは普通のマスキングテープと、グリス塗り用のヘラや不要な会員カードなどだ。